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運動のメリット

運動を行うとイライラしにくくなる

運動を行うことでイライラが限りなく抑えられ、精神的に安定します。慢性的なストレスや不安を抱えている方は、脳の一部にある偏桃体という組織が肥大し、ストレスを感じやすくなる原因になっていると考えられています。そしてこの偏桃体の機能は、改善する可能性があります。偏桃体の過剰な活動を減少させることで組織が収縮し、ストレスを感じにくくなると言われています。その方法こそが運動です。昨今、瞑想やマインドフルネスがトレンドですが、実はこれらも偏桃体を収縮させ、イライラしにくくなるという効用があります。

筋力トレーニングのような無酸素運動やランニングのような有酸素運動でも、運動に集中するということは偏桃体を小さくすることに繋がります。とりわけ現代は、情報過多の世の中で脳は疲労し、スマホの普及やSNSの利用によりストレスを感じやすい環境になっています。運動に集中する時間を作り、体だけでなく脳にも良い影響を与えるようにしましょう。


有酸素運動は記憶力が向上する

ランニングやバイクのような有酸素運動は、肺活量が向上し疲れにくくなることや、血行の改善により冷え性の解消、むくみ、血管の弾力性を養う上で効果的である一方、脳にも良いことが分かっています。それは、側頭葉にある海馬の神経線維を増やしてくれることです。海馬という器官は記憶をする組織で、仕事や勉強に大きく関わっている部位です。この海馬は筋力トレーニングのような無酸素運動では効果が薄く、有酸素運動の方が効果が高いという点が重要です。


ホルモン分泌で雰囲気が良くなる

運動はホルモンの分泌を促し、男性ではテストステロン(男性ホルモン)、女性ではプロゲステロン(女性ホルモン)を分泌させます。

男性の場合、テストステロンが分泌されると、自信に溢れ、堂々とした振る舞いになり、女性の場合は人を惹きつける魅力的な雰囲気をまとうことができます。その他にも、エンドルフィンやセロトニンも分泌されることから、多幸感に満たされ、毎日を活き活きとエネルギッシュに過ごすこともできるようになります。さらに、運動を行えば良い姿勢にも繋がり、姿勢が良くなるだけでもテストステロンが20%上昇したという研究結果もでています。ちなみに、姿勢が悪い場合はテストステロンが約10%減少し、コルチゾール(ストレスホルモン)は約15%上昇したそうです。これだけでも運動を行う理由になります。


自律神経を整えることで人生が豊かに

現代は、自律神経が乱れやすいといわれており、交感神経の高まりが優位になりやすい環境です。ストレス、不安、疲労、イライラなどは交感神経を刺激しやすく、呼吸が浅くなることや、落ち着きがなくなることもあります。自律神経は「交感神経(興奮状態)」と「副交感神経(リラックス状態)」のバランスで成り立っています。日中活動するときは交感神経が優位に、夕方から夜にかけて副交感神経が優位になりカラダを休める。いわば、ONとOFFの役目をしています。本来カラダを休めるべき夜に、交感神経が優位になっていれば、もちろんカラダは休まらず、睡眠の質が低下、寝起きが悪く、日中もボーっとしてしまうなんてことも。ここでのポイントは、ONとOFFの切り替えをできるようにすることです。なぜうまく切り替えられないのか?主な原因は下記の通りです。

・運動不足

・日光不足

・脳と体の疲労がマッチしていない

 

 現代人は、「脳や精神は疲弊しているが、体が疲れていない」といわれます。例えばデスクワーカーの方は、一日中座っていることも少なくなく、10時間以上座って過ごしている方もいらっしゃいます。近年はテレワークが普及したことで会社への出退勤がなくなり、さらに歩くことが減り、気付けば一日で一度も外に出ていないなんてこともあるのではないでしょうか?そうすると、日光を浴びることが少なくなります。日光を浴びるとセロトニンというホルモンが分泌され、セロトニンが分泌されればメラトニンも生成されます。このメラトニンが増えると睡眠の質が向上し、結果、自律神経を整えることにも繋がります。

 

そして、体を動かす機会を失った現代人は、脳や精神は仕事などで疲弊するが、体は疲れていない状況ができあがります。このミスマッチが自律神経を乱します。ちなみに、デスクワークをしていて腰痛や肩こりがあるとき、「カラダを酷使している」感覚があるかもしれませんが、正しくは「血行不良で筋肉が硬直」しているだけで、体が疲弊しているわけではありません。つまりは、運動不足が原因で自律神経を乱しているといっても過言ではないのです。脳にとって、ホルモンバランスにとって、そして自律神経にとっても運動は利点があります。一日10分だけでも運動を行うように意識してみてください。