ケトルベルスイングとは
ケトルベルスイングとは、ケトルのような形のウェイト器具を使って全身を鍛えることができるトレーニングです。今回は、ケトルベルスイングの効果や正しいトレーニング方法を解説します。また、ケトルベルスイングを行う際の注意点も紹介します。お尻や背中、脚、肩など全身を効率よく鍛えられるメニュー。正しいやり方を知って、効率的に全身を鍛えましょう。
目次
ケトルベルスイングの効果
1.1つの種目で全身の筋肉が鍛えられる
全身の筋肉を鍛えようとすると、様々な器具を用意して複数のトレーニングを組み合わせなければならず面倒です。自宅でもっと簡単に全身を鍛えたれたらと思う方は多いのではないでしょうか。
ケトルベルスイングは単独のトレーニングで全身の筋肉が鍛えられる点が特徴。器具も専用のウエイト(ケトルベル)を用意するだけです。
鍛えられる部位を具体的に挙げると、
僧帽筋:肩甲骨を中心にして背中へ大きく広がる筋肉
三角筋:肩の辺りにある筋肉
脊柱起立筋:背骨の周辺にある筋肉
大腿四頭筋:太ももの前側にある筋肉
ハムストリング:太ももの後ろ側にある筋肉
に高い筋トレ効果を期待できます。
手軽に全身を鍛えたい時に行えるケトルベルスイング。自宅のちょっとしたスペースで全身の筋肉を鍛えられるので、ぜひチャレンジしてみてください。
2.ダイエット効果
最近ボディスタイルが崩れてきたのでダイエットを考えているものの、忙しい生活を送っているとジョギングや水泳に時間を割ける余裕がないこともあります。
短時間でできるケトルベルスイングはダイエット効果も期待できる筋トレ。
ジョギングや水泳と同じく、カロリーの消費や脂肪の燃焼に対して有効な有酸素運動ができるので、余分な贅肉を減らしてシェイプアップに繋がります。
もちろん、筋トレが得意とする筋肉の引き締めも美しいスタイル作りに効果的。お腹やお尻、脚の太もも周りをスッキリさせ、余分な贅肉のない美しい体型を目指すことも可能です。
ジョギングや水泳をする時間はないけれど、たるみの目立ってきたお腹やお尻を引き締めたい方は、ぜひ試してみてください。
3.腰痛を予防できる
デスクワークが多いと姿勢が乱れがち。腰に負担がかかって腰痛気味になることがよくあります。
ケトルベルスイングは腰痛の改善にも期待できるトレーニングです。
弱った腹筋や背筋は腰痛に繋がる一因。ケトルベルスイングで腹筋や背筋を強化してあげれば腰に加わる自重をしっかり支えられるようになり体幹も整うので、腰に掛かる負担が減って楽になります。
ただし、適切な重さのウエイトを使って正しいやり方で行わないと逆に悪化させることがあるので、その点は注意しましょう。
最近腰の調子が良くないと感じ始めたならケトルベルスイングがおすすめ。無理をしない範囲で腰痛改善を目指してみてください。
4.筋持久力が高まる
筋持久力が高いと普段の生活や長時間の運動を楽にこなせるようになります。
一般的に筋持久力を向上させるための方法として水泳やランニングなどの有酸素運動が知られていますが、これらは1回のトレーニングに時間がかかってしまうのが難点です。
短時間でトレーニングでき、筋持久力の向上が期待できるケトルベルスイング。効率のいい筋持久力アップの手段として効果的です。
瞬発力や筋力向上といった無酸素運動の効果もあるので、有酸素運動と無酸素運動のメリットを併せ持っているトレーニングの1つです。
限られた時間で筋持久力を上げたい時にケトルベルスイングはおすすめです。ぜひケトルベルスイングで筋持久力をアップさせていきましょう。
ケトルベルスイングのやり方
ケトルベルを用意したものの、どのようなメニューでトレーニングすればいいかわからない初心者の方もいるでしょう。一般の方にはまだ馴染みの薄いトレーニングなので、正しいやり方を知っている方はまだ少ないと思います。
ケトルベルも他のトレーニング同様、効果を最大限に引き出すためには正しいやり方で取り組むことが必要。ここではケトルベルスイングの正しいトレーニング手順を見ていきましょう。
正しくできれば全身の筋肉や体幹の変化をはっきりと実感できますよ。ぜひ手順を覚えて実践してください。
【ケトルベルスイングの正しいやり方】
1.ケトルベルをまたいで腰幅~肩幅くらいに足を開いて立ち、両手でケトルベルのハンドルを握る。
2.軽く両膝を曲げ、後ろにお尻を突き出すようにしながら上半身を床と平行になるよう前に倒す(背中は丸めない)。
3.両腕を伸ばして、両脚の間にケトルベルを振り下ろす。
4.お尻を前に突き出しながら上半身を起こし、目の高さにケトルベルを振り上げる(息を吐きながら行う)。
5.息を吸いながら2の姿勢に戻る。
6.2〜5の動作を10~20回繰り返します。
ケトルベルスイングは、10~20回の動作を1セットとし、30~60秒間の休憩をはさみながら3セット行うのが1日あたりの目安です。
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ケトルベルスイングの注意点
ケトルスイングを始めたものの、思ったほどの効果が実感できないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
簡単で効果的なトレーニングのケトルスイングですが、ただ闇雲に行えばいいというものではありません。しっかり実感できる結果を目指すには、最大限に効果を引き出すためのフォームや正しいトレーニング量など、ケトルベルスイングならではのコツが大切。
ここではケトルスイングに取り組む上で心がけてほしい主な注意点を5つ紹介します。ケトルスイングで筋トレする際には、ぜひ意識してみてください。
ケトルベルスイングの注意点1.背中を丸めない
ケトルベルスイングを行う時に注意したいのは、ウエイトを上げる時に背中や腰を丸める姿勢にならないこと。背中が丸まった状態でケトルベルを持ち上げてしまうと、腰や背骨にウエイトの重量が集中してしまい、腰痛の原因に繋がってしまいます。
ケトルベルを上げる時は腰を丸めずに背中を真っ直ぐに保ちながら行うことが大切。お腹にしっかり力を入れて、膝と脚の付け根の動きを利用して持ち上げれば、ケトルベルの重量は下半身全体に分散されるので、背骨や腰に負担がかかることはありません。
背中を丸めずに正しくケトルベルスイングを行えば、僧坊筋や広背筋、三角筋、脊柱起立筋を中心とした上半身の他、大腿四頭筋やハムストリングスなど下半身の筋肉もしっかり刺激できます。
ケトルベルスイングでは背中を丸めない姿勢を必ず守り、安全に取り組むようにしてください。
ケトルベルスイングの注意点2.扱える重量を選ぶ
これからケトルベルスイングを始めたいけれど、自分はどれくらいの重量のウエイトを選べば良いか分からない方も多いと思います。
体力は個人差もあるので一概に「この重さ」とは言えませんが、初心者の方は
男性:8~12kg
女性:4~8kg
ほどが一つの目安です。
体格の大きな方や筋トレ経験者はこの重さに加えて、男性は4〜8kg、女性なら2〜6kgほどさらに重いものにするのがおすすめ。
持ってみて重すぎると感じるウエイトは避けましょう。無理をしても三日坊主に終わるだけでなく、背中や腰を痛めてしまうこともあります。
最初のうちは自分の筋力で扱いきれる少し軽めのウエイトにして、正しいフォームができているか確認しながら徐々に重くしていきましょう。
ケトルベルスイングの注意点3.体が振られないようにする
ケトルベルの重量に体が振り回されてしまい、危ない経験をした方もいるかと思います。
ウエイトの勢いで体が動いてしまっては筋肉に負荷がしっかりかからないので、いくらトレーニングしたところで無駄です。また、ケトルベルの勢いにつられて体が動いてしまっては怪我にも繋がり危険です。
ケトルベルを用いたトレーニングではウエイトの勢いを筋力でコントロールし、体が振られないようにすることが大切。ウエイトを振った時に体は引っ張られますが、それを力で抑え込むことによって筋肉は鍛えられます。
ケトルベルスイングは思った以上に体が揺さぶられるトレーニング。ウエイトの勢いで体が動かされないように意識して取り組んでみましょう。
ケトルベルスイングの注意点4.正しいフォームで行うことを意識
トレーニング回数の目安を守って取り組んでいるのに、思ったほどの効果が実感できないと悩んでいる方はいませんか。効果が出ないのはフォームが乱れている可能性があります。
トレーニングによって目的の部位を鍛えるには適切な負荷がその部位へしっかりかかることが重要。
間違ったフォームでは負荷が分散されてしまい、目的の部位への負荷が不十分になってしまいます。筋トレ効果が出にくくなるだけでなく、最悪の場合、怪我に繋がってしまうこともあるので、必ず正しいフォームを心がけましょう。
ケトルベルスイングの効果が感じられないという方は、自分のフォームを見直してみてください。
ケトルベルスイングの注意点5.毎日ではなく、週3~4で行う
早く結果を出したくて毎日トレーニングを行ってしまうことがあります。また、慣れによって筋トレの効果を実感しにくくなってきたときも、つい頻度を増やしがちです。
ケトルベルスイングは負荷の高い筋トレなので、効率的に効果を出したいなら、毎日よりも週3〜4回の頻度で行うようにしましょう。
筋トレによる負荷で筋繊維は損傷しますが、休ませることで以前よりも丈夫で強い筋肉に修復されます。筋トレ→休むを繰り返すことで筋肉が成長していくので、毎日トレーニングしてしまうと筋肉が十分に回復するための時間がなくなってしまい、思ったような効果が得られなくなってしまいます。
慣れてきた時は、頻度を増やすのではなく、回数やセット数、ウエイトの重量を増やして負荷を高めるようにしましょう。
休みの日を挟むこともトレーニングには大切と考え、週2回は筋肉を休ませるようにしてケトルベルスイングに取り組んでみてください。
筋肉痛の時は、基本的に休む
初心者は筋肉痛になった時、トレーニングが効いているからだと誤解しがち。ケトルベルスイングで筋肉痛になっても、そのまま続けてしまうことがあるかもしれません。
先述したように、筋肉を成長させるためには回復のプロセスが必要。筋肉痛を感じる状態は筋繊維が大きく損傷しているサインなので、基本的には休んで痛みがなくなるまで十分な休息が必要です。
もし、筋肉痛のある状態でケトルベルスイングを続けてしまうと筋繊維の修復は進まず、効果が期待できません。また、余計に痛めてしまうこともあります。
筋肉痛になったら体を十分に休ませることが筋トレを効果的にするコツ。ケトルベルスイングで痛みを感じた時には休むようにしましょう。
まとめ
ケトルベルスイングのやり方をマスターし、効率よく全身を鍛えていきましょう。
全身を鍛えようとすると、一般的には様々なトレーニング種目を組み合わせる必要があり、正しいやり方も種目分覚えなければならず大変です。
ケトルベルスイングはたった1種目で全身にアプローチできる理想的な筋トレ方法です。
正しいトレーニング方法を守って続けていけばケトルベルスイングで全身を鍛えることができます。ウェイト器具もケトルベルを用意するだけなので、上半身から下半身までまんべんなく鍛えたいと考えているなら、おすすめの筋トレです。
今回の記事を参考に正しいやり方でケトルベルスイングに取り組み、全身を効果的に鍛えてみてください。
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