おにぎりや冷やご飯がなぜ ダイエットに役立つのか?
糖質制限ダイエットが流行したため「ご飯は太る」「糖質は摂らないほうがいい」と思われる方も多いかもしれませんが、「おにぎりや冷やご飯ダイエット」は我慢の必要がないダイエット。
食べるのが好きな方に魅力的なおにぎりや冷やご飯ダイエットについて解説します。
東京都文京区「SCK-GYM」代表パーソナルトレーナー稲葉裕哉。子どもから高齢者の方まで多くのクライアントの身体に対する悩みや問題を解消。アスリートへのトレーニング指導も担当している。資格:NSCA認定パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)、NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト(CSCS)
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米の炭水化物の主成分であるデンプンは、アミロースという硬い成分と、アミロペクチンという粘りがあって柔らかい成分が固く結合したβ(ベータ)−デンプンで構成されています。
米の状態は白くて硬く、消化が悪いので、そのままでは食べられません。
この米のデンプンは、熱と水を加えると、「α(アルファ)−デンプン」に変化します。
つまり、私たちが食べる白い「ご飯」は、米のデンプンがα−デンプンに変化したもので、柔らかく、もっちりした状態になって、おいしく食べることができるようになります。
α−デンプンに変化することで消化がよくなり、栄養素として吸収されやすくなるのです。
このα−デンプンは、放置して冷たくなると、白色のボソボソしたβ−デンプンに変化します。
おにぎりや冷やご飯には、このような難消化性のβ−デンプンが含まれています。
α−デンプンのカロリーは1gあたり4kcalですが、β−デンプンはその半分の2kcalです。
おにぎりや冷やご飯のなかのβ−デンプンの割合は、通常それほど高くはないですが、炊き立ての温かいご飯に比べると、消化に時間がかかるので、腹持ちがよくなり、空腹感が抑えられる効果があります。
β−デンプンは、消化酵素の影響を受けずに腸の中を進んでいき、腸内細菌の“善玉菌”のエサになるというプラス面もあります。
腸内細菌の“善玉菌”をいい状態に保つことは、健康づくりにとってとても重要です。
最近、ダイエットで注目されているレジスタントスターチ(難消化性デンプン)にはいくつもの種類がありますが、米のβ−デンプンも、このレジスタントスターチの一種です。